ここ数週間ほど、「漫画と3DCG」について考えている。
Adobeのサイトで「浅野いにお」先生の特集が組まれていたからだ。「ソラニン」を描いた人といえば分かるだろうか。「CGWORLD」という雑誌に浅野いにお先生の制作についての記事があったので読んでいたんだよ。
浅野先生のように、写真や3DCGを漫画に組み込むというやり方には、色々とメリットがあったりする。おおよそは背景制作に組み込まれると思うのだが、漫画の背景というのは、描くのに結構時間と労力を必要とするものである。浅野先生のようなプロの漫画家だと締め切りというものが存在するため、雑誌連載の場合、どこまで背景を描き込めるのかという問題もある。
写真や3DCGを上手く組み込めれば背景制作にかける時間も大幅に削減できる。
逆にデメリットもある。写真や3DCGを上手く組み込むことができないと、漫画の絵がコラージュっぽくなり、人が手描きした絵に比べて味がしないような感覚を覚える。
例えばバイクの絵を3DCGで描くのと、Dr.スランプで鳥山先生が手描きしたバイク絵を比べると、圧倒的に後者の方が見栄えがいい。
ただ浅野いにお先生は元々アナログで漫画を描いていた方なので、そこら辺のバランスも上手く調整しているように思える。映像作品にもなったりしているので、ストーリーも良い作品なのでしょう。
3DCGを使った漫画の現在地はCGWORLDを読んで大体分かってきた。
逆に、近藤聡乃(こんどうあきの)先生のように、手描きで構図が素晴らしい漫画もあるので、何が良いのかは、作品のバランスや描き手の考え次第なのでしょう。